クラスター対応戦略の概要(2020 年 3 月 10 日暫定版)
重症者よりも軽症者のほうが感染力が高い可能性について指摘。
治療する観点からの「軽症者」(酸素吸入や人工呼吸器が不要)と、この文脈での「軽症者」にギャップがある気がする。
『SARS と違い軽症例・無症候感染例が多いことが COVID-19 への公衆衛生的対応を非常に難しくしている。日本でもいったん感染連鎖を見失っていたが、軽症例あるいは症状のはっきりしない感染例からも感染があったためだと考えられる』
公衆衛生学の観点からは「感染者が誰から感染したか」を明確にすることが重要と指摘。
『COVID-19 の特徴として、無症候感染者の感染性、あるいは潜伏期間からの感染があるかどうかの科学的な証明は重要であるが、さしあたっての公衆衛生学上の対策をより効果的に行う上でのポイントとしては、「感染者が誰から感染したかを認識できること、あるいは調査によってリンクが明らかであること」が重要である』
『ただし、COVID-19 では感染者が誰から感染したのかをはっきりと認識できていない例が多く見ら、そのことにより感染源を認識できないままに感染連鎖が継続すると、感染連鎖を検出することは困難になる』
『日本ではいったんは見失った感染連鎖が 2 月 13 日以降に急速に可視化できるようになった。まだ、国内の感染状況の全体像はつかめていないが、少なくてもこれまでのデータからは、国内全体で大規模な感染連鎖が起きている可能性は低い』